2009年5月19日火曜日

Lucie Rie


先日まで21_21Design sightで開催されていた、U-Tsu-Wa展に行ってきました。
水盤の上に器たちがそのまま展示され、静謐な雰囲気のルーシーの器に
ぴったりの素敵な展示でした。



戦時中には金属の代わりに陶器のボタンを沢山作ったというルーシー。
それらの小さな陶器達は、結果的に様々なゆう薬や技法の実験になったという事ですが
ルーシーの洗練されたシンプルな器には、そういった膨大な努力の積み重ねによる
技術の高さが裏打ちされているということにとても納得しました。








特に印象に残ったのは、80歳の時の工房でのインタビュー映像。
写真集ではろくろを回している静かな表情のルーシーが有名ですが
本当はどんな人なんだろう?と思いながら見ていました。



真っ白いタートルネックセーターに淡いブルーのエプロン姿で
ゆう薬や土を調合しているのですが、陶芸をするには綺麗すぎて、
まるでケーキの材料を調合しているかのようです。
そしてろくろを回し始めると、何だか土の方が勝手に育っていってるというか、
みるみる形が出来上がっていきます。ルーシーはただ手を添えているだけのように見えました。それだけ自由自在に土を操れるには長年の積み重ねがあってこそですよね。。。








そして何と言っても電気釜から器を取り出すときの楽しそうな表情!
何度も体験してきたことなのに、まるで初心者のように初々しいんです。
「毎回何か発見がある」と、インタビュアーに答えていましたが、
80歳でこんなに楽しそうに物を作れるというのはすごいことですよね。



ルーシーの器はルーシーそのもの、そんな風に何かを作れるようになりたい
とつくづく思いました。
いつも5年、10年くらい先のことをよく想像したりしていますが
今回、理想の80代のお手本を見つけられたことが一番の収穫でした!

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