淡い色使いと鉛筆で描かれたロマンティックな装丁が新鮮で今っぽくもあります。
一目惚れで、即購入。200円でした。
初版が昭和32年で、こちらも同じ年の11刷ということなので
初版の装丁と同じかと思われます。
中の文章がもちろん旧漢字、旧仮名使いなので最初は
とても読みづらく、漢字に至っては、「恋」は「戀」、「体」は「體」などなど。。。
「節子は戀している」などと書かれていても、「ん??」となります。
ただ、しばらく読んでいるとそれが当たり前になってきます。
こんな漢字を昭和32年には普通に使っていたのかと思うとまた面白いです。
ちなみに本屋さんで、現在売られている「美徳のよろめき」を見てみたところ、
所々は旧漢字のままですが、ほとんどが現代用になっていました。
当時書かれたままの文章を読めるというのは、その小説を正しく感じれるような
気がして、古本の楽しみをまたひとつ知ることができました。